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【広告出稿のポイント・士業編】広告表現ルールを守りつつアピールするには

かつて士業においては、「事務所を構えているだけである程度の依頼者が訪れ、売上を維持できる」と言われていました。現在では状況がかわり、適切に広告を打ち出さなければ競争を勝ち残れないと考えられています。

士業の広告で意識していただきたいのは、定められた広告表現ルールを守りつつ、それぞれの業種にあったアピールをしていくことです。こちらでは、広告表現のルールやターゲッティングの仕方など、士業の広告でおさえていただきたいポイントをご紹介します。

悩みがある人しかターゲットにならない士業は、普通に広告を出すだけでは意味がない

士業において有効な広告手法ついて話を移す前に、士業という仕事の「立場」について考えてみましょう。弁護士、税理士、行政書士、社労士など、あらゆる士業に共通しているのは、「悩みがある人から頼りにされる」という点です。それぞれの分野に精通した識者・専門家として顧客をサポートすることになります。

簡単に言えば「先生」として信頼される立場を、常に崩してはならないということです。実際に顧客のコンサルティングを行っている場面はもちろんのこと、他のシーンでも頼られる立場を維持しなければなりません。

士業においても安定した売上のためには広告や営業活動が必要です。一方で、上述したような立場は、こうした活動を難しくしています。広告について言及すると、あまりに「広告然」とした内容は意味がないどころか、自信のブランディングを低下させてしまうこともあるのです。

さらに、資格がそのまま職業になる士業では他事業者との大きな差別化も困難です。士業に従事している多くの方は、特徴や強みの打ち出し方に迷っています。もともと保持している人脈のみで安定した売上を維持できるのは、一部の限られた士業従事者のみです。

「サービスのクオリティ」「魅力的な価格」など、通常の広告であれば一般的な要素が士業の広告に適切なのかどうか、出稿前によく考えておく必要があります。可能な限り小規模な展開で、士業従事者や事務所のブランドを向上させるような広告が求められていると言えるでしょう。

士業の広告出稿時に法律違反をしないために気をつけるポイント

士業では、広告展開において遵守すべき法律が設けられていることがあります。また、業態の性質上、顧客に誤認されるような広告表現はそもそも控えたいところです。士業の広告で法律違反やトラブルを避けるために気をつけるべきポイントにおいてお伝えします。

勝訴率を公表してはいけない

弁護士であれば、勝訴率を広告に記載したくなるかもしれません。確かに勝訴率は具体的な数字であり、弁護能力の高さのエビデンスになります。マーケティングのコンセプトからもその考えは間違っていません。しかし、残念ながら「勝訴率○○%」といった表現は、法律に抵触してしまうのです。弁護能力のエビデンスとしては、何か別の数字を用いる必要があります。

特定事業者の顧問であることを無断で記載してはいけない

実際に顧問を担当したクライアントからの声は、見込み顧客へのアピールになります。クライアントがネームバリューのある事業者であれば、期待できるアピール力もさらに大きくなるでしょう。しかし、基本的に許可を得ることなく顧問を担当したクライアントの事業者名を公表することはできません。書面による同意が行われている場合は、例外として公表可能です。

実際に担当した案件の内容を無断で公表してはいけない

得意分野や実績や、具体的な過去の事例をもとに紹介できればアピールになります。しかし、この手法も基本的にはできません。公表できるのは、クライアントの不利益にならないことと、書面による同意が得られていることが条件です。

他の事務所と直接比較するような表現はNG

法律に違反するわけではありませんが、他の事務所の名称を出して比較するような表現はモラルの問題から好ましくありません。「○○事務所と比較して~」といった表現は排除し、事務所単体の魅力や強みを伝えるようにしましょう。

NGワード

士業に関わらず、広告では誤解を与えるような表現や誇大広告は控えるべきだと考えられています。

具体的には、以下のような文言がNGワードとされています。

  • あっという間に解決!
  • 絶対
  • 最高の~
  • 日本一の~

一部広告ではこうした表現が用いられていますが、士業の広告ではとりわけ意識して排除すべきでしょう。

士業の広告は「相談しやすい」と思ってもらう必要がある

士業にとっての売上は、「相談件数」に置き換えられます。相談の間口を広げ、件数を増やせれば自然と売上は増加していくでしょう。士業で打ち出す広告では、見込み顧客に「この事務所なら相談しやすそうだ」と思ってもらう必要があります。

上述したように、「頼れる先生」と認識してもらえるような信頼感を与えることは極めて重要です。弁護士、税理士、行政書士など、士業の助けを求めている方はもれなく悩みの解決を期待しています。信頼感を与えなければ、広告展開の意味がありません。

実績は信頼感を得るために有効な情報ですが、上述したようなルールにより事務所側が自由に公表できるものではありません。一方で、広告を見た人は意外な情報で信頼感を覚えるケースがあります。プロフィールや写真、コラムなど「人となり」がわかるような情報がその例です。広告媒体に十分なスペースがあるなら、こうした情報を内容に加えてもよいでしょう。

また、相談しにくい心情に配慮することも重要です。相談を検討している方の中には、相談という行為自体にハードルを感じている方もいます。「借金」「離婚」など、プライベートな悩みが多いのも事実です。それぞれが抱いている悩みが「特別ではない」と伝えることも、見込み顧客が感じる「相談しやすさ」につながるかもしれません。

実際に他の事務所のホームページや広告を確認してみましょう。例外なく担当スタッフの顔写真が掲載されているはずです。「一人で悩まないでください」といった、見込み顧客を安心させるための文言も目立ちます。上述したような広告のルールに抵触しないようにするのが難しいところではありますが、「相談しやすさ」を意識すれば広告内容は定まってくるでしょう。

弁護士、税理士、行政書士など…各士業で狙うべきターゲット

士業の広告展開ではどのような層をターゲットに据えるべきなのでしょうか。もちろんすべての士業を一括りにすることはできません。弁護士、税理士、行政書士をピックアップし、それぞれのターゲッティングについてお話しましょう。

弁護士

弁護士のターゲッティングとして一般的なのが、特定の案件に特化していることを打ち出す手法です。「離婚」「借金」「相続」など、特定の問題が得意であることをアピールしていけば、その問題に直面しているセグメントからの依頼増加が期待できます。「○○の問題といえば、○○事務所」といった立ち位置になれれば理想的です。ただし、「○○専門」といった打ち出し方はかえって相談の間口を狭めてしまうことになるためおすすめできません。

税理士

税理士のメインターゲットとなるのは基本的に法人です。弁護士に対して、特化している業種を広告で打ち出している税理士はそれほど多くないようです。Web上の広告では、「飲食店」「小売」「建設」など、特定の業種にセグメンテーションを行うことで集客につながるかもしれません。ただ、業種のバラエティーが少ない地方などでは、広告で特定業種への特化を打ち出すことが逆効果につながり場合もあります。

行政書士

公的な書類作成を代行する行政書士は、見込み顧客の幅が広いことが特徴です。個人、法人の双方が顧客になり得ます。ターゲットとしては起業家や相続問題に直面している遺族などが代表的ですが、あえて一般的なターゲットにこだわらず新しいターゲットの開拓に乗り出すことが、他事業者との差別化を図る鍵になるかもしれません。

士業の広告はどの媒体に出すと効果が高まるのか

士業の広告展開で効果が期待できると考えられている媒体をご紹介します。

事務所ホームページ

現在は、多くの士業事務所がホームページを構えています。自社で有しているプラットフォームのため、カスタマイズ性が高いことが特徴です。上述したように多くの事務所が写真やテキストを多用し、クライアントからの信頼を獲得しています。ブログなどのメディアを更新し、宣伝に利用している事務所も多いようです。

SNS

法人が宣伝目的で利用することも多くなっているSNSですが、士業の事務所がアカウントを持つ例も増えてきています。現在は特色のあるSNSサービスが複数普及していますが、士業で利用されることが多いのはFacebookが中心のようです。また、SNS上でセグメントや予算を設定して出向できる広告も人気となっています。

近隣地域に特化した広告媒体

士業では地元密着の営業・広告展開も重要だと考えられています。周辺の地域に広告展開を行い、広く認知されたことから安定した相談件数を維持している事務所は少なくありません。主には交通広告やフリーペーパーなどの媒体が挙げられます。

自治体広告

地域に特化した媒体として、自治体の広報紙やホームページも注目されています。なぜなら、士業に相談したい人々は自治体の情報に関心が高いと考えられるためです。また地域に密着した先生として、信頼感アップにも期待がかかります。

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士業が顧客から求められている「立場」を理解し、「相談しやすさ」を感じさせるよう配慮した広告展開を行うことで新規顧客を獲得できる確率は高まります。また、士業という業態の特性上、広告表現ルールの遵守は特に意識してください。法律に抵触していない表現も、誇大広告と認識されてしまうと信頼感の損失につながってしまうかもしれません。ルールをしっかりと守りながら、信頼を勝ち取れる広告展開を目指しましょう。
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